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【Part1 助産師は女性の一生に関わる】
【Part2 抱っこで得られること】
【Part3 おんぶで一緒に楽しむ】
【Part4 【実演】横抱きと縦抱きのポイント】
【Part5 抱っこひもの種類と注意点】
【Part6 抱っこは日々の積み重ね】
<お話を聞いた人:宮川めぐみさん>
助産師、看護師
クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)セラピスト お手当て人
*ベビーウェアリングコンシェルジュ
パンマイスター
杉並区・港区新生児訪問、母乳育児相談、お手当て(クラニオ)、ベビーカレンダー(前クックバッドbaby)
サイト内の助産師に質問のコーナー担当、その他記事や書籍の監修を行う。
http://www.megumi-miyakawa-lier.com
<聞き手:杉山錠士さん>
兼業主夫放送作家。NPO法人ファザーリング・ジャパン会員。
1976年、千葉県生まれ。高2と小3という年の離れた二人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、FMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆し、「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。子育てアイテム「パパのツナギ」企画制作販売、パパ向け情報サイト「パパしるべ( https://papashirube.com/ )」編集長。
◎協力:Read it LOUD阿佐ヶ谷校(アルーク阿佐ヶ谷内)
トーク内容テキスト(一部編集しています)
(杉山)赤ちゃんの頭の匂いを嗅ぐとオキシトシン(俗にいう愛情ホルモン)が出るという話も聞いたことがあります。
向かい合わせの抱っこと、外向きの抱っこは、どちらがいいのでしょうか?
(宮川)抱っこをするなら、向かい合わせの抱っこがいいです。
子どもが、背後に世界があることを知って様子を気にするようになったら、おんぶをするといい。
最近、正面抱きの抱っこ紐で抱っこしている姿をよく見るようになりました。
親より子どもが先頭切って行くというのは、子どもが正面から「怖い」「嫌だ」と思うものが来たとしても、逃げ場がないんです。
隠れることもできず、とにかく進んで行かれることになる…刺激も大きいです。
正面抱っこでのお出掛けなら、動物園やお花見など、何かを観る時ぐらいにした方がいいです。
(杉山)「お腹を見せる」ということは、動物的には、弱点を見せることになりますよね。
抱っこにしても、おんぶにしても、お腹は隠しているわけですね。
(宮川)おんぶで、顔を並べて同じものを一緒に見ていたとしても、「怖い」と感じれば、赤ちゃんは大人の背後に隠れることができると思います。
けれど、正面抱っこだとそれができなくなってしまいます。
(杉山)抱っこ紐・おんぶ紐を夫婦で共有することは多いと思います。
サイズのことを考えると、理想としては、「夫用」「妻用」をそれぞれ持っていた方がいい?
(宮川)調整が難しくなく、男性も「使えそう」「使いたい」と思えるデザインであれば、共有してもいいと思います。
調整が面倒だったり、デザインが気に入らないということがあれば、別々でもいい。
(杉山)スリングなど布のものは、夫であれ妻であれ、着用しながら都度締め具合を調整するものになりますよね。
無駄な出費を抑え、夫婦で共有することもできますね。
(宮川)兵児帯(へこおび)やスリングを選ぶ際、夫が使うことを大前提にデザインを選ぶ人もいます。
(杉山)抱っこやおんぶは、何歳頃までした方がいいですか?
(宮川)子どもが求めるうちは、抱っこしてあげたらいいと思います。
杉山さんは、お子さんが小学生になっても抱っこをしていますか?
(杉山)しますね。
(宮川)ですよね。
小学生になれば、立って抱えるような抱っこはあまりないと思いますが、座った姿勢での抱っこは、子どもが求めているうちはやった方がいいと思います。
(杉山)何歳になったからなどは、あまり気にしないでいい?
(宮川)あまり気にしなくていい。
親子のコミュニケーションの取り方や、子どもの甘え方など、それぞれ違うと思うので。
西洋や欧米では、大人になっても親子間でハグしたりキスしたりしますが、日本人は、大人になるにつれて減っていく。
その分、子どもが求めるうちは、おんぶでも抱っこでも、してあげていいと思います。
(杉山)思春期でも、子どもが求めれば、ハグなどしてもいい?
(宮川)ハグや、背中を撫でてあげるなどいいですね。
私が中学生の頃のことです。
体調を崩していて診察待ちの時に、母が背中を撫でてくれ、ホッとしたことがとても印象に残っています。
こんなに大きくなっていても、母親に撫でてもらうことに、こんなにホッとできるんだ、と思いました。
できそうな時に、子どもに手を伸ばしてやってみるのもいいと思います。
(杉山)それも、積み重ねですよね。
小さい頃からやっているからこそ、それがホッとするものになる。
(宮川)思春期になると、親に対して素直に気持ちを表現できない分、「甘えたい」「ホッとしたい」と思っても、うまくできないこともあると思います。
調子が悪そうな時や精神的に不安定そうだと感じた時には、背中に手を添えたり、撫でたり、そういう関わりをしてみるのもいいかなと思います。
(杉山)思春期になった時のことを考えても、生後1~2年の抱っこやおんぶが効いてくる気がします。
体調が悪いなど、よほどのことがなければ、抱っこはできるだけやっていた方がお互いにいい?
(宮川)疲れている時も、子どもを抱っこしていると、抱っこされているかのように癒されます…
抱っこするのは「自分が癒してもらう時間」と捉えると、いいかもしれませんね。
(杉山)よく、「こんな歳になるまで抱っこなんて、恥ずかしい」と言った話になりますが、本当はそういうことじゃないんですね。
(宮川)そうですね。
どういう形であれ、いつまでもスキンシップは持てていた方がいいなと感じます。
(杉山)抱っこできる期間は、短いですよね。
(宮川)その子の人生の中で、限られていると思うんです。
(杉山)自分が抱っこされていた時のことなんて、覚えていない。
でも、覚えていない時のことが、後々効いてくる。
(宮川)それが残っていて、ホッとできたりすることもあると思う。
(杉山)抱っこ・おんぶは、よほどでない限りはやっていく。
自分の方が癒されるんだということも、ちゃんとわかっていた方がいいですね。
「疲れたから抱っこできない」ではなく、「疲れたから抱っこさせて」になる時もある。
(宮川)気乗りしない時には、しなくてもいいと思いますよ。
(杉山)親子で気持ちがすれ違って、嫌な時に「抱っこして」と言われるから嫌になる。
そうやって断るくせに、自分が抱っこしたい時に「なんで嫌がるんだよ」と怒るから、親子はすれ違っていくわけですね(笑)。
どちらかが求めている時に応じていくと、いいタイミングになっていく、と。