赤ちゃんの抱っこ&おんぶの基礎知識セミナー【Part4 【実演】横抱きと縦抱きのポイント】

子育て

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【Part4 【実演】横抱きと縦抱きのポイント】
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【Part6 抱っこは日々の積み重ね】

<お話を聞いた人:宮川めぐみさん>
助産師、看護師
クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)セラピスト お手当て人
*ベビーウェアリングコンシェルジュ
パンマイスター
杉並区・港区新生児訪問、母乳育児相談、お手当て(クラニオ)、ベビーカレンダー(前クックバッドbaby)
サイト内の助産師に質問のコーナー担当、その他記事や書籍の監修を行う。
http://www.megumi-miyakawa-lier.com

<聞き手:杉山錠士さん>
兼業主夫放送作家。NPO法人ファザーリング・ジャパン会員。
1976年、千葉県生まれ。高2と小3という年の離れた二人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、FMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆し、「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。子育てアイテム「パパのツナギ」企画制作販売、パパ向け情報サイト「パパしるべ( https://papashirube.com/ )」編集長。

◎協力:Read it LOUD阿佐ヶ谷校(アルーク阿佐ヶ谷内)

トーク内容テキスト(一部編集しています)

(杉山)抱っこについて、「○ヶ月になったら/○○な状態になったら、このようにしてもいい」といった目安の月齢や状態はありますか?

(宮川)新生児の頃は、基本的には横抱きが多いと思います。
でも、新生児でも縦抱きをすることもできます。
首はすわっていないのでしっかり支える必要がありますが、してはいけないわけではない。
赤ちゃん自身が「縦抱きをしてほしい」と主張し、横抱きを嫌がるようになるので、そうなってきたら、首の支えを注意しつつ、縦抱きをしてあげていいです。

【実演】※以下、動画内では横抱きを実演しながら解説しています。

(宮川)赤ちゃんの足の裏を合わせるか、あぐらをかかせる形にする。

(杉山)生まれたての赤ちゃんって、足をクロスしていますよね。

(宮川)M字の足の形を、保持してあげる。
腰からお尻にかけて丸くなるようにする。
自分の腕を浮き輪のように丸め、その中に赤ちゃんのお尻が入っているようなイメージです。
背中が丸くなると、赤ちゃんはホッとします。

(杉山)丸くなるのが、ホッとするんですね?

(宮川)背中を丸めることで、赤ちゃんにとって楽な姿勢にもなります。
足と足の間に手を入れて抱っこしているところをよく見かけますが、こうすると、赤ちゃんの身体がねじれてしまう。
よほどのことがない限り、赤ちゃんは泣いていやがるということはないのですが、身体のねじれは気になると思います。

(杉山)足の間に手を入れて抱くと、落ちないなと思っていましたが…

(宮川)そうですね!
(赤ちゃんの背中が伸びて、大人の両腕に乗っかっているような状態で)こういう抱っこをしているお父さんを見かけますが、これだと赤ちゃんは怖いと思います!
逆にこの自分がこの抱っこをされるとしたら、怖くて硬直したり泣いたりすることがあると思うんです。
お姫様抱っこなどされるなら、丸く、コンパクトにされてる方がギュッとしてもらっている安心感ある。

手は、できるだけ両手が前に揃うようにすると、赤ちゃんが両方の手で遊ぶことができます。
たまに、赤ちゃんの片手が(抱っこしている人の)背中の方に回っていることがありますが、これも、身体がねじれてしまうし、背中側に回っている手の存在を赤ちゃんが忘れてしまうこともある。
両手は揃えて、目の前にある状態に。
すると、どちらの手でも、口に入れて遊ぶことなどもできる。

(杉山)手を口に入れて遊ぶのは、むしろいいんですよね?

(宮川)発達の過程で、赤ちゃんは拳を口に入れることから始めます。
一番感覚の敏感なのは、口。
口に拳を持っていくことで、手の感覚を鍛えているんです。
拳から徐々に指1本1本へと、感覚を鍛えていき、「これは自分の手だ」と気づいていく過程がある。
「指しゃぶりしてるんですけど、どうなんでしょう」と言われることもありますが、指しゃぶりはどんどんさせてあげていいです。

(杉山)そのうち、絶対なおりますよね。

(宮川)はい、なおります。

(杉山)3、4歳頃になっても、指しゃぶりをしているのが心配?

(宮川)そうですね。今は、4、5歳頃になったら声をかけ、指しゃぶりを止めさせるようにしています。

【実演】※以下、動画内では縦抱きを実演しながら解説しています。

(杉山)縦抱きは、首がすわってなくてもいいんでしたね。

(宮川)縦抱きだと、赤ちゃんの身体が伸び、足がまっすぐ下におりているような状態で抱っこしている人が多い。
私がしていただきたいなと思う縦抱っこは、赤ちゃんのお尻の穴が自分の方を向くように、腰を入れてあげる。
真横から見たら、しゃがんでへばりついているような状態…いわゆる、ヤンキー座りのような体勢になると、腰からお尻にかけて丸くなり、自然と抱っこしている人の身体に寄り添いやすくなるんです。
最初に紹介した縦抱っこの仕方(足がまっすぐ下におりている状態)だと、赤ちゃんが身体を反らしたくなる。

(杉山)よく、身体を反らしますよね。
じゃあ、あれは、抱き方が悪い?

(宮川)そうですね。
ちょっと抱き方を変えると、赤ちゃんは本来のM字の開脚ができるし、腰からお尻にかけて丸くなって、反り返りにくく自然と寄り添いやすくなります。
赤ちゃんは、すごく楽になります。

(杉山)赤ちゃんの背中が丸まっていることは、大きなポイントですね?

(宮川)新生児も、乳児もそうです。
抱っこ紐に入れてあげる時も、背中の丸い体勢が赤ちゃんにとって心地よい。

(杉山)なるほど。
いわゆるホールド型の抱っこ紐だと、赤ちゃんの身体を丸めず、伸ばすことになりませんか?

(宮川)伸ばしますね。
赤ちゃんも、心地よい体勢を探しているというのもあるかもしれませんが。
親御さんも、ここまで体勢を調整して入れてあげた方がいいなど、あまり分からないまま、抱っこ紐を使っているかもしれません。

(杉山)丸まっているというのは、お腹の中にいた時の感覚に近い?

(宮川)赤ちゃんは、まだ背骨のS字の湾曲がないんです。
その分、フラットなところで寝るのが、大人だったら楽ですが、赤ちゃんにとってはしんどい。
首がすわると、首のところが湾曲になり、歩くようになると腰が湾曲して、背骨がS字になります。
腰の完成は、小学校高学年になってからです。

最初の1年くらいは、まだ背筋ができていない、弱い未熟な時期です。
赤ちゃんにとっては、腰からお尻にかけて丸めて、M字開脚ができる体勢が心地よい。

(杉山)立って歩くようになるになるまでは、気をつけた方がいい?

(宮川)そうですね。
M字で抱っこすると、足でしがみついてきてくれます。
太ももの内側の筋肉(内転筋)を鍛えられるので、足腰がしっかりしてくるんです。

(杉山)抱っこをした方が、身体は強くなる?

(宮川)なおかつ、足をM字にして、しがみつきやすい足にしてあげると、内転筋や腹筋を鍛えられるきっかけになる。
抱っこの仕方によって、赤ちゃんの身体が変わってくる。

(杉山)身体を伸ばしちゃうと、あまりよくない。
密着面が少なくなると、よくない。

(宮川)スリングでの抱っこは、必ず背中を丸め、M字開脚にする形になるので、密着面がすごく広くなります。

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