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<お話を聞いた人:櫻井優司さん>
フィジカルトレーナー、健康コメンテーター、株式会社ナビスポーツ代表取締役。
横綱朝青龍やF1レーサー片山右京のコンディショニングなどを担当してきたカラダのスペシャリスト。スポーツトレーナー兼業界初のリンパ専門家。「事故ゼロの現場リーダー」講演を全国で開催中。リンパアクティベーション協会顧問。櫻井優司オフィシャルサイト https://yujisakurai.jp/
<聞き手:杉山錠士さん>
兼業主夫放送作家。NPO法人ファザーリング・ジャパン会員。
1976年、千葉県生まれ。高2と小3という年の離れた二人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、FMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆し、「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。子育てアイテム「パパのツナギ」企画制作販売、パパ向け情報サイト「パパしるべ( https://papashirube.com/ )」編集長。
トーク内容テキスト(一部編集しています)
(杉山)例えば火傷などは、子どもの手が鍛え方で熱さで強くなるなどはないと思うが、それでも火傷しやすい子と火傷しにくい子がいると思います。
その違いは何ですか?
(櫻井)「このストーブは熱いからダメ」「このコップ熱いから持っちゃダメ」など、親が何もかもをプロテクトしちゃっている。
熱いっていうのは親が触って熱いだけであって、子どもは熱いということを知らない。
だから、触って倒さないように軽く触らせたり、「このぐらいだったら大丈夫」と火傷しなぐらいで触らせてあげるのは、すごく重要。
体感しないと、覚えないんです。
おじいちゃま・おばあちゃまと一緒に過ごすと、「孫にそんなことさせちゃダメじゃない!」って、プロテクトされて、ママさんもそれを真に受けて絶対プロジェクトしちゃう。
コップ触らせないとか。
それを、「ぬるいからこれ大丈夫」というぐらいでコップ触らせてみて、「熱い!」ってなって初めて、それは危険だってわかる。
体感や体験。
やけどにならない程度の「熱い!」を体験させるっていうのは、すごい重要だなと思う。
(杉山)例えば、銭湯やおじいちゃん・おばあちゃんの家のお風呂って、異常にお湯が熱かったりしましたよね…
ああいう経験も大事ということですか?
「熱いってこう言うこと」というのが、触らなくてもわかるようになるためにも。
(櫻井)おじいちゃんとお風呂入りに行くと、子どもが外でジャバジャバってやって結局お風呂に入らずに出てきたなんていうこともあったけれども。
そういう体感をしておくことで「熱いってってこのぐらいなんだよ」という体感を子どもたちにしてもらいたいっていうのはありますね。
(杉山)一方で、熱いものを触っちゃって、すぐに手を離せるか離せないかの差は出てきますよね。
それって、鍛えられるものですか?
(櫻井)鍛えられます。
先ほどの話にも出たシャボン玉や紙風船などを掴んで、「こうやると潰れるんだ」「こうやると割れるんだ」とドキッとした瞬間を体感して、手を離すっていうのは大事なんです。
(杉山)それを練習しているとこと?
「熱い」と違和感を感じて手を離せるのと…
(櫻井)ぐしゅっと潰しちゃうのとの差です。
体感していない人は、紙風船を最後までぐしゅっと潰してしまう。
一方、体感している人は、ぐじゅってやるとダメだから、こうやって(そっと下から)持つ。
体感の差ですね。
(杉山)指先の感覚で、熱さを感じられるかどうかの違いもあるのですか?
(櫻井)それは人間本来の持っているもので、皮膚感覚と神経が繋がっていれば、たいがい「熱い」と思ったら離すようにできています。
そこまで鍛えるということはしなくてもいいと思いますけど、感覚としては、ぜひいろんなものを触らせてあげてほしい。
木はザラザラしてる、カニはチクッと痛い、いが栗も痛い…と、いろんなものを触らせるっていうのは、大事なんですよね。
(杉山)なるほど。
今回のおさらいをすると、
・免疫力は、目・鼻・口…涙・鼻水・唾液を鍛える。
・内部の、リンパと体温。血液の循環を良くする。
・怪我をしない身体を作るためには、細かい振動が必要。
飛び降りるときの高さは、どれぐらいまでいけるものですか?
僕たちが子どもの頃って、すごい極端なこと言うと、屋根から飛び降りたりしてたでしょ…
(櫻井)してたしてた、やった。
(杉山)あれは本来、確実に危ないですよね。
(櫻井)でも、一番最初から屋根には登らなかったよね?
階段昇って、次は窓から飛び降りて、次は物干しから飛び降りて…ってランクがあったでしょ。
そのランクで、「俺の身体はどのくらい耐えられるのか」ってみんなわかるんですよ。
だから、一回も経験したことのない子が、いきなり物干し台からジャンプして骨折しちゃうんです。
ちっちゃいところからの、ちょっとずつのジャンプ。
要は、経験なんですよ。
その経験が今はないから。
ちっちゃい経験をいっぱい積んでください。
(杉山)すごく小さい子どもだったら、手を繋いでジャンプしてもいいですよね。
(櫻井)そうそう。
手を繋いで、花壇の植え込みのブロックの3段ぐらいのところから、「せーの」ってジャンプしたり、ブロックを上をキャットウォークで歩かせたり、そういうので、落っこちたら痛いよというのをやっていくと、バランスも取れていくと思う。
要は、もっともっと想像して、遊ばせてほしい。
それを今は、アミューズメントで、バーチャルで、あたかも体験したかのように画面の中でやるけれども。
実は VRって三半規管を使っていない。
そういうふうに画像で見せてるだけ。
でも、実際に転ぶと下に地面があるとか、地面までの衝撃があるとか、(本来は)VRではない体験があるから、VRが楽しくなる。
衝撃を受けさせないと、ほんの小さな体感をさせないと、子どもって次のステップに行かないよっていうのがあります。
(杉山)例えば公園でブランコに乗って遊ぶと、三半規管を使いますよね。
三半規管が鍛えられるといいことって、何かありますか?
先ほど危機回避の話をしたときには、バランスに関わるというような話もありましたよね。
車酔いをしにくいとかでしょうか?
(櫻井)逆に、三半規管が異常に強いと、車酔いをしやすくなる。
例えばCAさんで三半規管が敏感になっている人は、後ろ向きに歩いたり下を向いてお盆を運んでいるようなときに酔っちゃうっていうことがあります。
だから、あんまり三半規管を鍛えすぎるのもいけない。
でも、子どもが自分の身体ををプロテクトするには三半規管は重要なので、必要以上の能力はいらないけれど、体感させるのは大事ですね。
(杉山)最後に、身体の専門家である櫻井さんから、コロナ禍で全ての親子連れに伝えたいアドバイスを聞かせてください。
(櫻井)お父さん・お母さんの目線よりも、子どもの目線は明らかに低い。
お父さん・お母さんからの家庭内感染はありうるとしても、目線が低い子どもの目になって一度体験をしてもらうといいです。
上から飛沫が降ってくるのかとか、すれ違ったときにどういうところで飛沫感染が広がるのかっていうのを知っていただく。
レストランなどで座って、お父さん・お母さんと目線が一緒になったときに、飛沫感染するんですよね。
ところが、歩いてるときって、上下差があるので飛沫感染はない。
外に出て、目の高さが違うっていうのを知っていただくのはすごい重要だと思います。
レストランでテーブルについて目線の高さが合うときに飛沫感染するという風に考えていただくと、ちょっと高さを変えたり、場所を離したりって言うので感染経路が断たれると思っています。
(杉山)それに加えて、こういう状況の中で身体を動かすことを考えたときに、親として大事にした方がいいこと、注意してほしいことというのはありますか?
(櫻井)車で移動するっていうのはすごく重要なんです。
車って、他人の入りにくい密室。
車から、ドライブスルーを利用して買うとか、密にならない場所に移動して一緒に遊ぶということちょっと心がけていただきたい。
「家の中だから安全」ではなく、「人がいないから安全」っていう風に、ちょっと考えを変えていただいて、出掛けてほしいと思います。
(杉山)広い公園まで自転車で移動するのでもいいわけですよね?
(櫻井)もちろん、そうです。
(杉山)なるほど、人のいない場所を探すということですそうですね。
(櫻井)東京でも関西でもどこでも、密にならない場所って必ずあるので。
(杉山)あとは、時間帯ですよね。人のいない時間帯を探して出掛ける。
(櫻井)そこをうまく活用して、お子さんの成長を手助けするっていうのは、パパ・ママの仕事だと思いますよ。
(杉山)なるほど!
今日は、ありがとうございました!
(櫻井)ありがとうございました!