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【Part1 何を鍛えたら身体が丈夫になる?】
【Part2 身体が丈夫になる〇〇の鍛え方!】
【Part4 室内の遊び方】
【Part5 ケガに強いポイント】
【Part6 親ができること】
<お話を聞いた人:櫻井優司さん>
フィジカルトレーナー、健康コメンテーター、株式会社ナビスポーツ代表取締役。
横綱朝青龍やF1レーサー片山右京のコンディショニングなどを担当してきたカラダのスペシャリスト。スポーツトレーナー兼業界初のリンパ専門家。「事故ゼロの現場リーダー」講演を全国で開催中。リンパアクティベーション協会顧問。櫻井優司オフィシャルサイト https://yujisakurai.jp/
<聞き手:杉山錠士さん>
兼業主夫放送作家。NPO法人ファザーリング・ジャパン会員。
1976年、千葉県生まれ。高2と小3という年の離れた二人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、FMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆し、「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。子育てアイテム「パパのツナギ」企画制作販売、パパ向け情報サイト「パパしるべ( https://papashirube.com/ )」編集長。
トーク内容テキスト(一部編集しています)
(杉山)涙、鼻水、唾液などだけじゃなく、いわゆる心拍数や体温なども免疫に関係しますよね?
(櫻井)心拍数は、階段のぼると、一定な状態からすぐ上がりますよね。
免疫力の高い病気に強い子って、心拍数が上がってもすぐに落ちる。
これが、免疫力が高いというバロメーター。
例えば、ガーミンやアイウォッチなどの心拍数の測れる腕時計を持っているお父さんは、それをお子さんにつけさせて、一緒に階段のぼってみましょう。
「ハーハー、ゼーゼー」(と、息が切れる状態を)お子さんと一緒にやって、どのぐらいでお子さんの心拍数が落ちるのか見てみてください。
お子さんのほうが全然早い。すとんと落ちる。
(杉山)それは、若さのせいではなく?
(櫻井)若さのせいではなく、免疫力が高いから。
(杉山)子どもの方が、基本的に免疫力が高いということ?
(櫻井)そうです。
今回のコロナについては、乳幼児の死亡率が低い。
基礎疾患のあるお子さんは残念ながら…っていう方もいらっしゃいますけれど。
けれど、明らかに高齢者が亡くなっている事例が多い。
これは免疫力が下がって、唾液や他の体液が落ちて、(ウイルスに)攻撃できないから落ちちゃうんです。
お子さんは、若いからではなくて免疫力が高いから、すぐ心拍数が安定する。
身体がウイルスと戦う基礎的な体力いうのはありますね。
(杉山)心拍数が上がってすぐ落ちる人は、そうでない人と何が違うんですか?
(櫻井)血管の柔軟性があるかないかの違い。
またタバコの話になってしまうが、タバコのニコチンやタールが血管に付着すると、血管が広がったり狭くなったりしなくなる。
これが高血圧の原因なんです。
だけど、子どもは毒素が何も入ってないから、血管が広がったり狭くなったりこれが繰り返す。
血管の柔軟性というのが、若さのバロメーターです。
(杉山)反対に低血圧は、血管に問題があるというのとは違うんですか?
(櫻井)違いますね。
低血圧は元々身体の100%ある血液の量が90%や85%と減っている状態。
生き死にの問題ではなく、造血能力が低いというだけ。
低血圧の人は、80%や90%の能力でも生存エネルギーがあるので、全く問題ないです。
(杉山)血液を巡らせることは、免疫にも関係がある?
(櫻井)はい、関係あります。
酸素を入れて、肺の中に入って、そこから血液に乗って全身に回るでしょう。
それが100%働けば、(血液は)脳にも行くし、つま先・爪・髪の毛にも行く。
ところが、ちょっと少ないと、脳に行く血液も少なかったり、爪に行く血液も少なかったり、貧血の方は手先が冷たいっていうことになるんですよね。
(杉山)よく言われる基礎体温が高くなるということですね。
体温が高いとウイルスにも強い。これは、どういうシステムなのでしょうか?
(櫻井)風邪のウィルスなど、いろいろなものと戦うのが免疫の力。
脇の下や首の周りにリンパ節っていうのがあって、そこで入ってきたウィルスと戦ってくれる。
戦う時には、発熱する。熱が必要なんです。
熱を上げているときは、身体は一生懸命戦っているときなので、実は解熱剤って使っちゃいけないんです。
(杉山)ということは、基礎体温の高い人は、血の巡りも良くて、リンパの巡りも良く、外敵が身体の中に入った際の回復に強い?
(櫻井)早いし、強い。
だから、基礎体温が高いほうが元気なんです。
(杉山)涙、鼻水、唾液、体温、血液…これらを総合的に鍛える方法として、家の中と家の外での遊び方というのはありますか?
(櫻井)まず、外遊びについて。
公園で砂遊び、泥遊び、滑り台。そういうもので皮膚を使った遊びを体験させる。
人間の皮膚には、常在菌という菌があるんですよ。
常在菌が活性化しているときは、擦り傷や切り傷をしても、すぐにかさぶたが出来て血が止まる。
室内で遊んでいて常在菌が少なくなっている子どもは、擦り傷切り傷をすると膿がたまったりして、治りが遅くなります。
外で遊んでいるお子さんのほうが丈夫になるので、擦り傷切り傷を怖がらずに、ぜひ外でいろんなもので遊んでいただくっていうのを、僕は推奨してます。
(杉山)そうすることで、身体全体の免疫力が高まるんですね。
(櫻井)高まります。
何が入ってきても自分の身体の表面や内側の菌がある方が強いんですよ。
(杉山)そういった体質になるために、外で何をして遊んだらいいですか?
(櫻井)まずは、木登り。
木の表面には、フィトンチッドという殺菌能力の高い菌が多くあります。
それから、海の風に身体を晒すのは非常に重要なので、海や湖などの水辺にも出掛けてかけていきましょう。
(杉山)小さなお子さんでも、海を見たり、砂浜走ってるだけでもいいわけですね。
公園で身体を動かすような場合、特にこの遊具でこういう遊び方をすると、身体の内部が強くなるというものはありますか?
(櫻井)今はあまり見かけなくなりましたが、地球儀のような形の遠心力を使った遊具はよかったですね。
足をぶつけるから危ないなど言われますが、大人が見ていればそう危険ではないんですけれどね。
それから、ブランコで、Gをブラスするのもいいです。
それがなければ、自宅にあるトランポリンで、身体に負荷をかけると内臓を強くなる。
(トランポリンで跳ねることで)腸がみょんみょんと落ちたり、膝が自分の体重以上の圧力を感じると、半月板とかアキレス腱周りの筋肉がぎゅっと押すので、それで下半身の強さになります。
脳がバウンドすることで、ちょっとした転倒やぶつけで、脳しんとうにならなくなる。
遠心力を使って自分の身体の加重をいろいろなところに預けることのできる遊びが、いいですね。
(杉山)今話で出た中では、一番手っ取り早いのはブランコですね?
(櫻井)ブランコはいいですよ。あとは、滑り台もいい。
滑り台でヒュンって落ちるも、マイナスGがかかりますよね。
走るのはプラスのG。スライディングはマイナスのG。
そうしたGのプラス・マイナスができれば、子どもの身体は強くなる。
(杉山)Gがかかると中から身体が強くなる?
免疫力の強い身体を作るのに、トランポリン、ブランコ…
(櫻井)鉄棒でぶら下がってぶんぶん揺れるとかもいいです。
昔、「飛行機」とか、片足を入れてぐるんぐるん回ったりとか、やりましたよね。
ああいう、マイナス・プラスのGがかかる遊びがいい。
怪我をするとか、遊具を外すとか、時代に逆行してるんだよなあ…。