パパママの悩み解消!上手な寝かしつけのコツセミナー【Part3 睡眠環境を整えよう】

健康

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<お話を聞いた人:ねんねママ(和氣 春花)さん>
乳幼児睡眠コンサルタント(CISA/米国IPHI資格)。
[著書]『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』(青春出版社)
夜泣きや寝かしつけなど乳幼児の睡眠トラブル解決の専門家。個別コンサルテーションや寝かしつけ講座の他、運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行なっている。
YouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を中心にVoicyやInstagram等で、
赤ちゃんの睡眠トラブルを解消するための情報や育児を楽にするためのノウハウを発信し続け、
総フォロワー数は10万人超(2021年11月時点)。

<聞き手:杉山錠士さん>
兼業主夫放送作家。NPO法人ファザーリング・ジャパン会員。
1976年、千葉県生まれ。高2と小3という年の離れた二人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、FMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆し、「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。子育てアイテム「パパのツナギ」企画制作販売、パパ向け情報サイト「パパしるべ( https://papashirube.com/ )」編集長。

◎協力:Read it LOUD阿佐ヶ谷校(アルーク阿佐ヶ谷内)

トーク内容テキスト(一部編集しています)

(杉山)睡眠環境について。
明るさは、落としていくことが大事ですか?

(和氣)人間のつくりは、原始人の時代から大きくは変わってはいないので、こんなに電気がある想定で作られてないんですよね。
基本は、明かりのない時代を再現してあげるのが、一番寝やすい。

人間はもともと、光を浴びから起きて暗くなったら寝るようにもともとプログラムされています。

例えば、パパ・ママがご飯食べるのが8時~8時半ぐらいだとする。
その間、赤ちゃんは、リビングの明るいところで寝ている状態。
その後、急に真っ暗な寝室に連れていかれて「あなただけ寝なさい」と言われても、寝られないんです。
身体の構造として、明るかったら起きているように原始人の頃からプログラムされているので、寝られない。

最低でも、寝る1時間前から(できれば2時間前)から徐々に灯りを少しずつ落としていき、夕方や夜を演出し、寝る時間であると身体に教えてあげると、メラトニン(睡眠ホルモン)が分泌され、寝やすくなります。

(杉山)結局、寝る準備のところが大事そうですね。

(和氣)寝るための準備には、気持ちの準備、身体の準備の両方があります。
身体の準備としては、ホルモンと、もうひとつ、体温のことがあります。

体温について。
人間は、体温を下げて入眠する。
うまく体温を下げやすいと眠りやすくなるんですよ。

例えば、もともとすごく冷えていると眠りづらい。
寝る前にお風呂入っているかどうかは大事ですが、そのタイミングが特に重要です。
赤ちゃんの場合、目安として寝る前の45分~1時間前ぐらい、大人であれば、1時間半ぐらいに上がっているのがいいです。

1時間前ぐらいに上がっていると、ちょうど上昇した体温が元の体温に下がってきたところで布団に入るので、眠りにつきやすいです。

(杉山)光と体温を整えることで、寝かしつけを軽くするだけでも寝かせられるようになる?

(和氣)寝かせ「やすく」なります。
反対に言うと、(赤ちゃんの寝入りを)邪魔するものを作ってしまわないようにする必要があります。

例えば、就寝10分前にお風呂に入れて、上がったばかりのホカホカの状態で寝かせようとしても、赤ちゃんは寝られない。
知らないと、そういうことをやってしまいがちです。
入眠を邪魔する要因を作らないようにしましょう。

(杉山)準備をしっかりした上で、明かりも最終的には暗くした方がいいんですね。

(和氣)ご家庭によりできないということもあるかと思いますが、推奨するお部屋の明るさは、一筋の光もない真っ暗な状態です。

手元が見えないとおむつ替えや授乳に差し支えるという場合は、足元に暗めの暖色系のライトを置いていただく。
最近はSNSなどで、赤いライトなども流行っていますが、それでもOKです。
赤やオレンジなどのライトを直接光源が目に入らない、足元に置く。
光源が見えると光が覚醒要因になってしまいます。
薄ぼんやり部屋が見える状態が、覚醒に繋がりにくくてオススメです。

(杉山)なるほど。

暑さ・寒さなど、温度について。
先ほど、入眠時に体温を下げるという話がありましたが、薄すぎる布団は、特に冬の時期など、心配じゃないですか?
暑すぎない・寒すぎないについて、目安などはありますか?

(和氣)外の気温などにもよりますが、過ごしやすい室温は20~22℃程度だと言われています。
冬は、着ているものも分厚くなるので、18〜19度くらいでいいと思います。夏だと半袖ですし、そんなに低いと寒いので、24~25℃程度。

着せるものについて。
0歳児について、掛け布団の使用はNGです。
アメリカの小児科学会の出している見解にも記載されていますが、布団やブランケットなど柔らかいものは窒息の要因になるため、ベッドの中に入れないようにとされています。
実際に事故事例もたくさんあるので、掛け布団は使わない。
その代わりに、おくるみ(生後3ヶ月頃まで)や、スリーパー(ベスト状の、着るお布団)、スリーピングサック(足先が寝袋状になっているもの)を推奨しています。

(杉山)子どもは布団をすぐはぎますよね。
親としては、その分布団をいっぱいかけたくなったり、たくさん服を着せておこうとしたりすると思います。
それは、暑すぎて睡眠を邪魔している可能性もある?

(和氣)子どもはもともと、大人よりも暑がり。
大人が「良かれ」と思って着せすぎたせいで眠れないことは、よくあります。
個別コンサルの際は、必ず室温と着せているものを見せていただいていますが、「着せすぎですよ」とお伝えすることが多いです。

着せすぎると、熱放散しようとして寝返りの回数が増えます。
それをきっかけにきっかけで起きやすくもなりますし、まだ身体を動かせない赤ちゃんは暑くて泣いてしまいます。
寝返りしてベビーベッドにぶつかって起きたり、あせもで痒くて眠れなかったり…。

また、乳幼児突然死症候群の原因の一つは着せすぎだとも言われています。
着せすぎ、温めすぎ、過度の体温上昇を招くようなことには注意が必要かなと思います。

(杉山)年齢が上がってからも、布団はかけすぎない方がいい?

(和氣)2歳ぐらいになると体温調整ができるようになってくるので、暑ければ布団をはぐなど自分で調整するため、そんなに神経質にならなくていいかと思います。

(杉山)自分で危険を排除できるようになるまでが、一番難しいところですね。

(和氣)赤ちゃんのうちが、暑さ・寒さで起きやすいです。

例えば、20℃ぐらいだったら、綿の薄手の長袖長ズボンのパジャマに、タンクトップの肌着、6重ガーゼのスリーパー…このぐらいでいいと思います。
ですが、同じ室温で、キルティングのパジャマに、長袖の肌着、フリースのスリーパーを着せている方もおられます。
それは、ちょっと着せすぎかな。

必ずしもこの通りじゃなければいけないわけではありませんが、一つの基準として捉えていただけると。

(杉山)大人は、室温でなく布団で調整をしますよね。
でも、乳幼児がいる時には、お金はかかるけれどエアコンなどで室温を調整し、布団は薄めにした方がいいということですね?

(和氣)そうですね。
どうしても電気代はかかってきますが、なるべく赤ちゃんに合わせて室温を調整する。
大人は夏だったら少し肌寒く感じるかもしれないですが、その分布団かけるなどで調整していただくといいです。
夏は、特に熱中症の心配もあります。

よく、「パパが寒いと言うから」など言われる方もおられますが、赤ちゃんに合わせてあげてください。

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日々子育てに奮闘しているママやパパが、「○○しなければならない」という子育てから一歩離れて色々な考えを知り、ありのままの自分自身を受け入れて欲しいという願いを込めてサイトを制作しました。

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